序 生き恥の商品について
2 生き恥の商品について
合コンは既にセッティングされ、場所と日時、人数まで決まっていた。
あああああ、行きたくねえええええ!
でも、既に相手がこっちに向かってるとの事。
俺に断られる事を見越した友達は、当日に合コンの事を伝え、逃げ道を無くしていたのである。
今日伝えられて、今日行く準備か。ますますクソがっ!とイライラがつのる。
俺はコミュ障だし、ブサイクだし、合コンのノリとか苦手なんだよ。
どっかの昆虫みたく日陰で暮らしていたいタイプなんだよ。
そうは思ったものの、相手が来てるのに不機嫌な顔をしていては相手に申し訳ない。
不機嫌になるのは自分の勝手で相手は悪くない。
気持ちを切り替え、遠くから来てくれる相手には、感謝を持って接するようにしようと思った。
俺は相手の顔を全く知らないが、時間になり相手が来た。
職業は知らないがキャバ嬢とかヤンキーみたいな美人だ。
一目見て苦手なタイプだと思った。
俺はノリノリな話しは苦手なので淡々と話す。
高校の時は話せなかったのに、大学生になったら女性とは普通に話せるようになっていた。
昔は何を話せばいいか悩んでいたのに今は普通に話せる。
自分でも意外だった。
というか、ホストの友達よりも俺とよく話してくれる。
ここでモテると勘違いしてはいけない。
イケメンよりは、ブサイクのほうが気を使わず話せるから俺と話しているだけなのだ。と俺は今でも思っている。
問題なく合コンが進み、終わりの時間が来た時に、友達は脊髄反射のように番号を聞いた。
俺はそれを見て更に嫌悪感を覚えた。
こういったノリが苦手だ。
俺は番号を聞く事もせず、その後 合コンに誘われるというか、無理やりセッティングされている事があっても、女性の番号を聞く事は絶対になかった。
女性と話せるようになったのも、番号を絶対に聞かないのも、ある考えが俺に根付いたからだと思う。
俺は女を作るにあたいしない人間なので、作ろうとすら思わない。
好かれようと思わないから、気を使わず自然と話せるようになっていた。
なぜ俺が女性と付き合うにあたいしない男なのか。
その原因は今もとれない強烈なトラウマにあった。
続く。
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生き恥の商品について 3
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